ooligo

Arcade

agent-integration-platform mcp-gateway · agent-authentication · tool-calling · agent-governance
AI-NATIVE MCP API FREEMIUM
RevOpsLegal OpsRecruiting & TACustomer Success
7.5 /10

何をするツールか

Arcade は、エージェントと、そのエージェントが書き込む先のシステムとの間に入る認可と実行のレイヤーです。Composio がカタログの広さと1コールあたりの安さで戦うのに対し、Arcade が戦う問いは別です。この書き込みを認可した人間は誰か、そしてそれを6か月後に証明できるか、という問いです。ツールコールが、呼び出したユーザーの付与していない OAuth スコープを必要とした場合、Arcade Engine は実行を中断し、そのユーザーをプロバイダーの同意フローに通してから再開します。つまり、使われるトークンは共有のプラットフォームキーではなく、リクエストを出した本人のものになります。既存の ID プロバイダー(Okta、Entra)を置き換えるのではなく読み取り、アクション単位の認可をコール時点で評価します。

同社は 2026年6月に SYN Ventures がリードする $60M のシリーズ A を調達し、Morgan Stanley と Wipro が戦略投資家として参加しました。$12M のシードを含めた調達総額は $72M です。MCP の URL elicitation フローの基となる仕様拡張提案は Arcade が執筆し、Anthropic と共同で開発され、2025年11月に MCP 仕様へ採択されました。2026年8月5日には、公開 MCP レジストリ兼ホスティングプラットフォームの Smithery を条件非開示で買収し、Smithery の共同創業者である Anirudh Kamath がチームに加わっています。

エージェントスタックで採用される理由

プラットフォーム OAuth キーが1つということは、影響範囲も1つということです。Composio は 2026年5月21日、まさにそうした中央保管庫から約 5,241 件の API キーと 5,001 件の GitHub OAuth トークンが攻撃者に持ち出されたと公表しました。Arcade のユーザー単位モデルなら、同じ事故の被害範囲は実際に到達された個々のアカウントの権限までに縮みます。さらに、認可した人間の名前が残るアクションログが手元に残ります。これはコンプライアンス監査担当者が要求する成果物であり、共有サービスアカウントでは作れないものです。

カタログの数字は注意して読んでください。Arcade は 2026年6月時点でエージェント最適化ツールを 8,000 件以上と表明していますが、ドキュメントに名前付きで載っている MCP サーバーは8カテゴリにわたる約 60 件で、Optimized(Arcade 自社製)と Starter(自動生成された API ラッパー)に分かれています。ツールは個々の関数であり、実際に統合する相手はサーバーです。

価格の実態

  • Free — $0。月あたりツールコール 2,000 件と認証イベント 2,000 件、マネージドのクラウドホスティング、Discord と GitHub でのサポート。
  • Team — 月 $25 のプラットフォーム料金に加えて、ツールコール1件 $0.01、認証イベント1件 $0.10。サポートは翌営業日のメール対応。
  • Enterprise — 個別見積もり。認証イベントとツールコールの年間バンドルとして割引レートで販売されます。SSO、RBAC、監査ログ、プライベートレジストリへのアクセス、Helm/Kubernetes や Azure Marketplace のマネージドアプリでの自己管理デプロイ、24時間365日の SLA 付きサポートは、この階層に載ります。

シート課金はありません。実際の価格帯はこうです。300 ユーザーに対して月 25K ツールコールを処理する社内エージェントなら、初月は約 $365(プラットフォーム $25、コール $250、900 件のユーザーとプロバイダーの接続に約 $90)、その後の定常状態で約 $275 に落ち着きます。月 500K コールでは Team の定価が $5,025 になります。ここが定価をやめてバンドルを交渉する volume です。

1コールあたりで見ると、$0.01 は Composio の $0.0003 に対して 33 倍の開きです。これがユーザー単位トークンとアクション単位監査の価格です。どの人間が書き込みを認可したのかを誰も問わないのであれば、使わない性質に2桁多く払っていることになります。

認証イベントは利用量ではなくユーザー数に比例して増えます。 ユーザーとプロバイダーの新しい接続ごとに $0.10 が発生し、トークンの失効、スコープの変更、権限の取り消しの後の再認可でも再び課金されます。5,000 シートを4プロバイダーへ展開するなら、エージェントがツールコールを1件も出さないうちに認証イベントは 20,000 件です。

こんなチームに向く

多数の実名エンドユーザーを代理してシステムオブレコードへ書き込むエージェントを出すプラットフォームエンジニアやセキュリティエンジニアで、監査要件が「このアクションを認可した人間を証明すること」である場合です。文句なしに勝つ限定ケースは、RevOps や Customer Success のチームが数百人の営業担当の前段にエージェントを置き、各担当者として SalesforceHubSpot を更新し Slack に投稿させ、コンプライアンス監査に耐えるユーザー単位の証跡を残す構成です。

向かないケース

単一サービスアカウントで高頻度にコールを出す、シングルテナントの社内エージェントです。同じ3つのトークンが全リクエストを処理し、どの権限で書き込みが起きたのかを誰も問わないなら、1コールあたり 33 倍のプレミアムは何も買っていません。エンジニアでない人にとっても間違ったレイヤーです。これは SDK と CLI と API であって、キャンバスではありません。また、データレジデンシー要件により第三者にトークンを保持させられない Legal Ops や Recruiting のチームでは、自己管理デプロイがその反論には答えますが、そこへ到達するには Enterprise 価格へ移ることになります。

代替候補との比較

  • Composio — 約 1,000 の統合を1コール $0.0003 で提供し、このセグメントで最も安い認証済みツールコールです。コール量が請求額を支配し、単一のプラットフォームキーという保管形態をセキュリティレビューが受け入れるなら、こちらを選んでください。2026年5月の情報漏えいが、その受け入れに対する反論材料です。
  • Zapier MCP — 9,000 以上のアプリを持つカテゴリ最大の導入基盤で、Zapier の全プランに含まれます。配線するのが ops のジェネラリストで、月間のコール量が約 1,000 件を下回り、Zapier がすでに請求書に載っているなら、こちらを選んでください。タスク課金は1コールあたり約 $0.069 に相当するため、量が増えた時点で逆転します。
  • Runlayer — エージェントガバナンス領域で最も成長が速い新規参入企業です。2025年11月に $11M のシード、2026年6月に Felicis がリードする $30M のシリーズ A を調達し、18,000 の構築済み MCP コネクタ、承認ワークフロー、プロンプトインジェクションとデータ持ち出しのスキャンを備えます。Pro プランは登録 MCP サーバー 25 台で月 $499 です。課題がシャドー MCP の発見と、自社が作っていないサーバーからのトラフィック検査であるなら、こちらを選んでください。Arcade は ID で勝ち、Runlayer は受信脅威の検査で勝ちます。両方の課題を抱えるチームは両方を買います。

どれも合わない場合、統合が約5件未満でサービスアカウントが1つなら、正直な代替策は API クライアントを直接書いてこのレイヤーを省くことです。

注意点

  • トップページには「SOC 2 compliant」とあるだけで、タイプの記載がなく、ISO 27001 や HIPAA についての立場も示されていません。 ガード:セキュリティレビューを始める前に、レポート本体、そのタイプ、監査期間、直近のペネトレーションテスト要約を書面で請求し、文書が手元に届くまではマーケティング文言を未検証として扱ってください。契約書や候補者の PII に触れる Legal Ops や Recruiting のデプロイは、トップページの主張ではレビューを通りません。
  • 認証イベントの課金は人員数で動くため、展開時に跳ね上がり、強制的な再接続のたびにまた跳ね上がります。 ガード:ユーザー数 × プロバイダー数 × (1 + 年間再認証率) としてモデル化し、その明細に絞って支出アラートを設定し、認証イベントは最初の請求書を見てからではなく展開前に Enterprise バンドルへ織り込む交渉をしてください。
  • Free 階層はデモであり、パイロットではありません。 ツールコール 2,000 件は、よく喋るエージェントなら1回の午後で使い切る量で、上限は評価の途中に予告なく来ます。ガード:継続可否の判断がかかるパイロットは、明示的な予算上限を設けたうえで Team で走らせ、評価が枠ではなく根拠で終わるようにしてください。
  • Starter サーバーは自動生成された API ラッパーであって手作りの統合ではなく、品質差は実在します。 Arcade 自身が 43,400 以上の MCP サーバーと 219,069 のツールを調査した指標では、A 評価を得たのは 0.5% でした。ガード:依存するサーバーが Optimized であることを確定してから採用し、ワークフローが頼る3つのツールコールを、カタログの説明を読むのではなくトライアル期間中に実データで検証してください。