何をするツールか
Alt Legal は商標のために作られたクラウド型の期限管理(ドケッティング)ソフトウェアです。知財庁からステータスと期限を取得し、日付を計算し、リマインダーを送り、クライアントや海外代理人に閲覧専用のドケットへのアクセスを提供します。特許、意匠、著作権、ドメイン、紛争案件も扱えますが、創業者で CEO の Nehal Madhani は製品を「trademark forward」と表現しています。特許は扱えるものの、設計の中心ではありません。
本社はニューヨークです。2013年に Madhani(元 Kirkland & Ellis の弁護士)と知財パラリーガルが創業し、小規模な競合を買収して成長してきました。2026年4月16日には英国の WebTMS(1998年創業、500社超の顧客)を買収しました。これは MarkTend(2019年)、Towergate の §2(d) Citation Watch(2022年)、TM Cloud のドケッティング事業(2023年)、そしてパラリーガルサービス Alt Legal Assist となった WeberMark(2024年)に続く6件目の買収です。2025年12月には SSM Partners が主導する成長投資を受けましたが、金額は非公開です。顧客数は情報源によって異なり、LawNext は2026年4月に「1,300超の組織」と報じ、ベンダーのトップページは現在2,000と記載しています。どちらもベンダー提供の数字として扱ってください。
Legal Ops のスタックに入る理由
- ドケットが自動で更新されます。 Alt Legal は180以上の知財庁とのデータ接続をうたっており、最も深い自動化は USPTO と CIPO との直接接続によるものです。米国中心の商標ドケットなら、ステータスの変化や期限がパラリーガルの手入力なしで反映されます。
- 出願がドケットから始まります。 受付フォームでクライアントや同僚から出願情報を集め、TEAS との接続で USPTO への出願を自動入力し、Goods & Services Composer が区分ごとの手数料を表示しながら ID Manual に準拠した指定商品・役務を作成します。
- ウォッチングも同じベンダーから提供されます。 アドオンの Trademark Protection は、自社の米国商標が他者の出願に対して引用されたときに通知する §2(d) Watch と、世界中の新規出願から重複する商標を毎週スキャンする Application Match を組み合わせたものです。
- クライアントは追加費用なしでドケットを閲覧できます。 ユーザー数無制限と第三者アクセス無制限がすべてのプランに含まれるため、外部弁護士やクライアントがメールで進捗を問い合わせる必要がなくなります。
- 連携は基本を押さえています。 Outlook、Google、Apple とのカレンダー同期、メールを案件に紐づける Outlook アドイン、日付・案件・連絡先を同期する Clio 連携、そして公開ドキュメントのない API があります。
価格の実態
知財管理ベンダーとしては珍しく、価格表を公開しています。料金はユーザー数ではなく、ドケットに登録された案件数で決まります(altlegal.com/pricing、2026年10月30日確認)。
| 案件数 | Docketing | Trademark Protection アドオン |
|---|---|---|
| 50件まで | $60/月 | +$30/月 |
| 100件まで | $100/月 | +$40/月 |
| 200件まで | $195/月 | +$60/月 |
| 400件まで | $295/月 | +$95/月 |
| 400件超 | 見積もり | 見積もり |
実際の価格帯は、年間約 $1,080(50件、ウォッチング付き)から年間 $4,680(400件、ウォッチング付き)です。初期費用はなく、データ移行、サポート、トレーニングも含まれます。400件を超えると見積もりになるため、2,000件の商標を持つ企業ポートフォリオはこのページだけでは予算を組めません。比較として、Anaqua のようなエンタープライズ向け知財管理システムは年間数万ドルからです。
1案件とは、管轄や有効・失効を問わず1つの知的財産権を指します。ユーザー、期限、区分、マドリッドの指定国のような参照専用レコードはカウントされません。
最適な対象
知財ブティック事務所、商標案件を抱える一般法律事務所、そして約50件から数千件の商標を管理する企業内チームの商標弁護士、パラリーガル、ブランド保護担当者です。商標が業務の大半を占め、エンタープライズ IPMS の business case が予算的に通らない組織に向いています。
向いていないケース: 年金の支払い、海外代理人への指示ワークフロー、特許庁のデータフィードが必要な大規模特許ポートフォリオを運用している場合です。Alt Legal は特許を保存できますが、商標ほど自動化はしていません。
代替ツールと選ぶべき条件
- Anaqua:知財管理におけるエンタープライズの2大リーダーの一方です。特許と商標の両方が大規模で、年金と費用予測を同じ記録で管理する必要があり、管理者を配置できる場合に選んでください。
- Clarivate:もう一方のリーダーで、IPfolio、FoundationIP、そして IPOne の背後にある CompuMark の商標データを提供しています。すでに CompuMark を調査用にライセンスしていて、調査とドケットを1社にまとめたい場合に選んでください。
- Questel:ポートフォリオが欧州中心で、調査、ドケッティング、更新サービスを1社から調達したい場合は Equinox と Markify の組み合わせを選んでください。
- Tradespace:知財管理で最も急成長している新興企業(2026年1月に $15M の Series A)ですが、特許が主軸です。特許の明細書作成とポートフォリオ管理が本当の課題である場合にのみ選んでください。商標ドケットには不向きなツールです。
注意点
- AI 機能は薄いです。 名前の付いた AI 機能は、案件を自然言語で検索する AI Filtering Assistant だけです。オフィスアクションへの応答書の作成機能も MCP サーバーもありません。対策: Alt Legal はドケッティングとウォッチングのために導入し、AI による書面作成は別予算で確保してください。「Automation, AI & Expertise」というバナーを機能一覧の代わりにしてはいけません。
- 連続買収は製品統合が近いことを意味します。 WebTMS の顧客には当面「business as usual」と伝えられ、統合は顧客諮問委員会が方向付けますが、どちらの製品にも終了日は公表されていません。対策: WebTMS、TM Cloud など買収された製品を使っている場合は、次回の更新時に自社プラットフォームのサポート期間と移行条件を書面で取り付けてください。
- 400件を超えると価格は見積もりです。 価格の透明性は400件までです。対策: 商談の前に Alt Legal の数え方(失効した権利を含む)で自社の案件数を数え、契約期間中はプランごとの価格を固定するよう求めてください。
- カバー範囲にはばらつきがあります。 「180以上の知財庁」はベンダーの数字ですが、最も深い自動化は USPTO と CIPO です。対策: 移行前に、無料トライアル中に取扱量の多い上位5つの海外管轄をドケットデータで検証し、現在のシステムと期限を照合してください。