概要
LawPay は、米国の法律事務所の多くがすでに知っている決済プロセッサーです。カード、eCheck、Apple Pay による支払いで、獲得済みの報酬と未獲得の依頼者資金を分けて扱うため、カード手数料やチャージバックが IOLTA 信託口座に触れることはありません。販売元は 8am で、2025 年 8 月まで AffiniPay という社名でした。同社は MyCase、CasePeer、Docketwise も所有しています。LawPay は、全 50 州の弁護士会を通じて提供され、120,000 人を超える弁護士が利用していると述べています。
2026 年、LawPay は単なる決済プロセッサーではなくなりました。2026 年 2 月 12 日、8am は請求書発行、時間・経費の記録、案件単位の信託管理、キャッシュフローのダッシュボード、そして Smart Spend を追加しました。Smart Spend は 8am Visa の法人カードで、購入内容が依頼者向け請求書に紐づきます。4 月 28 日からは、すべての支払いについて追加費用なしで翌営業日の入金を保証しています。9 月には 8am Capital を発表しました。LawPay 内で提供される売上連動型の融資で、資金は Fundbox とその提携銀行 Lead Bank が提供します。
Legal Ops のスタックに登場する理由
- 信託コンプライアンスは設定ではなく製品そのものです。 運転資金と信託資金の入金は別口座に振り分けられ、手数料は常に運転資金口座から差し引かれます。小規模事務所が LawPay を導入するのは、1 回のカード処理ミスを弁護士会への苦情に発展させないためです。
- Clio が LawPay との連携を打ち切りました。 Clio は契約満了に伴い、2026 年 8 月 31 日に LawPay 連携を終了しました。Clio Manage を使う事務所は、Clio Payments に移行するか、事務所管理システムの外で LawPay を運用するかを選ぶ必要があります。この選択が本ページの存在理由です。
- 8am 自社製品の標準決済基盤です。 MyCase 内では、LawPay は月額 $0 のアドオンです。支払いはサードパーティの同期なしで案件と信託台帳に反映されます。
実際の価格
単体プランは月額 $19 で、契約期間の縛りはなく、ユーザー数は無制限です。処理手数料は Visa、Mastercard、Discover が 2.99% + $0.30、American Express が 3.90% + $0.30、eCheck が 1% です。依頼者向けの分割払いオプションである Pay Later は、事務所側に 5.95% の負担がかかります。
表示料率が請求額のすべてではありません。LawPay はカードネットワークの手数料を上乗せなしでそのまま転嫁します。現在 $7.99 とされる月額の配分額に加え、海外カードには 1.75%、さらに取引ごとのネットワーク手数料がかかります。一方 Clio Payments は、標準カードで 2.95%、取引ごとの手数料もネットワーク手数料の転嫁もなしと案内しています。カードで月 $40,000 を回収し、平均請求額が $800 の事務所の場合、LawPay の費用は約 $1,196 + 取引手数料 $15 + 月額費用 $27 で、取引ごとのネットワーク手数料を除いて約 $1,238 です。同じ取扱高で Clio Payments は約 $1,180 です。差は確かにありますが小さく、料率よりも連携の適合性のほうが重要です。
最適な利用者
MyCase や CasePeer、あるいはネイティブの決済機能を持たない事務所管理システムを使う、弁護士 1〜50 人規模の米国の法律事務所のマネージングパートナーや事務所管理者で、翌日入金付きの信託口座に安全なカード・ACH 回収を求める方に向いています。事務所管理スイート一式を買わずに、請求書発行と決済だけが欲しい事務所にも合います。
代替製品との比較
Clio Payments は市場のもう半分です。Clio Manage を使っているならこちらを選んでください。Clio のネイティブ決済であり、LawPay はもう Clio Manage に接続できず、固定のカード料率は LawPay の実効料率より低いからです。MyCase、CasePeer、Smokeball を使っている場合や、将来事務所管理システムを乗り換えても決済を維持したい場合は LawPay を選んでください。
PracticePanther の PantherPayments も同じ考え方です。LawPay の融資やカードのプログラムが必要でない限り、日常的に使うシステムのネイティブ決済を使ってください。
Confido Legal は注目すべき新規参入企業です。Gravity Payments からスピンアウトしたシアトルの企業で、$9 million を調達しており、他のリーガルソフトウェアに組み込まれる決済を提供しています。利用中の請求ツールがすでに自社画面内で Confido を提供しているなら、こちらを選んでください。LeanLaw がその一例です。
どれも合わない場合、たいていは米国外の事務所です。LawPay は米国専用のため、他国の事務所は事務所管理システムの現地決済プロセッサーか、別の信託ワークフローを組んだ Stripe を使います。
注意点
- 転嫁される手数料のせいで見積もりの比較が難しくなります。 対策: Clio Payments や Confido と比較する前に、同規模の事務所から 3 か月分の明細を見せてもらうか、自所の平均請求額での総合実効料率を書面で提示してもらってください。
- LawPay を使い続ける Clio ユーザーの事務所は自動同期を失います。 支払いは Clio の請求書にも Clio の信託台帳にも記帳されなくなります。対策: Clio の外で LawPay を使い続けるなら、銀行、LawPay、Clio の信託台帳の 3 者照合を毎週行う担当者を 1 人決めてください。そうでなければ Clio Payments に移行し、切り替え前に保存済みカードと定期支払いの承認を取り直してください。
- 新しい請求・融資機能は 8am のもので、ロックインを深めます。 LawPay の請求書発行はすでにある請求機能と重複する可能性があり、8am Capital の返済額は LawPay での売上に応じて変動します。対策: 請求書のシステム・オブ・レコードは 1 つに絞り、資金を引き出す前に、手数料、返済割合、LawPay を解約した場合の扱いについて Fundbox の融資条件を読んでください。
- 購入理由になる AI や MCP のレイヤーはありません。 2026 年のリリースは財務機能であり、AI ではありません。対策: LawPay は料率、信託管理、連携だけで評価してください。リーガル AI の予算はリサーチやドラフティングのツールに充ててください。