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claude-skill

Claude で記録からデポジション尋問アウトラインを作成

Difficulty
中級
Setup time
45-90 min
For
legal-ops-manager
Legal Ops

Stack

Bates 番号でインデックス化された記録を、実務で使えるデポジション(証言録取)の尋問アウトラインに変換する Claude Skill です。出力は、日付順のクロノロジー、証拠に触れる質問すべてに記録の引用が付いたトピックブロック、尋問が対立的になる前に固めておくべき自白事項のリスト、そして証人自身の過去の矛盾供述から組み立てた弾劾ペアで構成されます。さらに、その場しのぎのアウトラインが飛ばしがちな 2 点も行います。7 時間という制限時間に対する時間配分と、このアウトラインが届いていない範囲の報告です。

このスキルは 1 つの制約の上に成り立っています。引用できるのは、あなたが渡した記録インデックスに存在する文書だけです。Bates 番号を自分で組み立てることはありません。このページでは、実行すべき場面、実行すべきでない場面、1 回あたりのコスト、そしてこの方法で作ったアウトラインをデポジションに持ち込む前に織り込んでおくべき失敗パターンを扱います。

使うべき場面

記録が揃ってインデックス化された後、尋問担当弁護士が質問を書き始める前に使います。

  • 過去の供述が分散している証人。 証人自身の発言が、過去の証言録取 2 件、Slack のエクスポート、宣誓供述書、そして開示された 40 通のメールに散らばっている場合、弾劾材料を手作業で集める工程が準備の中で最も高くつきます。このスキルは 1 パス目で供述インベントリを作り、2 パス目でアウトラインを組み立てます。
  • 日程が詰まったデポジション。 連邦実務では Rule 30(a)(2)(A)(i) により、裁判所の許可または当事者間の合意がなければ各当事者は 10 件までしか証言録取を行えません。証人リストが広い事件ほど日程は詰まります。数分で下書きが出れば、弁護士の作業は起案から編集に移ります。
  • Rule 30(b)(6) に基づく尋問。 通知された事項を渡すと、各ブロックには対応する事項番号が付きます。タグの付かないブロックは本体に混ぜず別の付録に回るため、指定証人側の弁護士にデポジションの途中で質問の筋を止められにくくなります。
  • レビュー用に起案するサポートスタッフやセカンドチェア。 ブロックライブラリには、認証は早めに、自白は弾劾より前に、という順序の判断が組み込まれています。経験の浅い起案者が外しやすいのはまさにここです。

アーティファクトのバンドルは apps/web/public/artifacts/deposition-outline-claude-skill/ にあり、次のファイルを含みます。

  • SKILL.md — 入力、2 パス方式、出力の実例、注意点を含む Skill 定義
  • references/1-topic-block-library.md — ブロック種別と証人の役割ごとの質問モジュール。各質問がその表現になっている理由付き
  • references/2-record-index-template.md — 記入式の記録インデックス。スキルが使う唯一の引用元
  • references/3-impeachment-pair-worksheet.md — 固定・対峙・提出の 3 段階ペア書式と、デポジション前チェックリスト

使うべきでない場面

  • 誰をどの順番で尋問するかの判断。 証人の順序は事件の見立てに従うものです。このスキルはすでに通知済みの証人向けに起案するだけで、その通知が妥当だったかについては何も言いません。
  • 事件の見立てや戦略メモの起案。 どの自白が防御方針にとって重要か、ある証言がサマリージャッジメントでの立ち位置に何をもたらすかは、弁護士の作業成果物です。このスキルが作るのは記録からの引用で組み立てた尋問アウトラインであり、特権の及ぶ分析ではありません。
  • 安定した識別子に整理されていない記録。 証拠が Bates 番号や証言録取のページ・行番号、開示文書 ID ではなく共有ドライブ上のファイル名のままなら、いったん止めて先にインデックス化してください。インデックスのない記録に対して実行すると、その場で誰も出せない文書を引用する質問ができ上がります。
  • すでにレビュープラットフォーム上にある記録。 開示物が Everlaw など、デポジション用モジュールを備えたレビュープラットフォームにあるなら、そちらのツールを使ってください。詳細は後述の代替手段の節を参照。
  • 記録が薄いケース。 証人自身の供述に該当するインデックス行が 3 行未満のとき、このスキルは弾劾の起案を拒否します。これは意図した挙動です。3 行は、「過去の矛盾供述」が言い換えにすぎなくなる下限であり、言い換えによる弾劾は記録上で崩れます。

セットアップ

  1. apps/web/public/artifacts/deposition-outline-claude-skill/ からバンドルをダウンロードし、~/.claude/skills/ に配置する(Claude Code の場合)か、Claude のプロジェクトにアップロードします。
  2. 証人ごとに references/2-record-index-template.md を記入します。production_through には開示済みの最終 Bates 番号、production_through_date にはその開示日を設定してください。スキルは両方をアウトラインのヘッダーに出力し、開示日が実行日より 14 日以上前の場合に警告します。単独の事実証人であれば 80 行から 400 行が実用的な範囲です。50 行を下回る場合は記録の一部だけをインデックス化していることになり、カバレッジ報告は説明のつかない欠落で埋まります。
  3. クローバックで回収された文書、留保した文書、特権ログに載せた文書の行は、privileged 列を yes にします。これらの行は質問生成から除外され、隣接する行には出力に [PRIVILEGE-CHECK] の注記が付きます。
  4. references/1-topic-block-library.md を自分の実務に合わせて編集します。役割モジュールの表現は汎用的なので、システム名、記録の種類、業務用語を担当案件のものに置き換えてください。法域も関係します。後述の連邦の弾劾順序を採用していない州が複数あります。
  5. すでにアウトラインがある終結済み案件に対して 1 度実行し、両者を突き合わせます。すべての引用が解決すること、ブロックの順序が実際の尋問の進み方と合っていることを確認してください。
  6. 新しい証人ごとに、記録インデックス、証人の役割、優先順位を付けた 3 件から 8 件の尋問目標を渡します。誰かがその出力を持ってデポジションに入る前に、必ずレビューしてください。

スキルの実際の処理

2 パス構成で、その分離こそが要点です。

パス 1 — 供述インベントリの構築。 スキルは記録インデックスを読み、日付順のクロノロジーと、証人自身の供述インベントリを作ります。各行には識別子がそのまま引き写されます。この段階では何も起案しません。必須列が欠けている場合は、構造化されたエラーを出して停止します。

パス 2 — ブロックの組み立て。 起案が見るのはインベントリであり、生の記録ではありません。したがって、抽出パスが見つけなかった文書を質問が引用することはできません。起案パスはインベントリの外側にアクセスできないからです。これが証拠番号の捏造に対する構造的な歯止めであり、「この文書を読んで質問を書いて」という 1 パスのプロンプトがこの仕事に対して形の合わないやり方である理由でもあります。1 パスでは、質問を生成することと引用を生成することが同じ行為になってしまいます。

ブロックの順序は固定です。背景と前提、文書の認証、時系列順の実体的トピック、固めるべき自白、そして弾劾ペア。自白が弾劾に先立つのは、過去の矛盾供述を突きつけられた証人は身構え、譲歩をやめるからです。認証を早めに置くのは、証人が認証を拒む証拠があると、意味のある実体的質問が変わるためです。これを 5 時間目に気づくと、その証拠の上に積み上げたものがすべて無駄になります。

時間配分。 Rule 30(d)(1) は、当事者の合意や裁判所の命令がない限り、デポジションを 1 日 7 時間に制限しています。スキルはブロックごとの所要分数を見積もり、質問時間の既定枠 330 分に対して配分します。残る 90 分ほどは、異議、証拠の取り回し、弁護士間のやり取り、休憩のために確保します。アウトラインが枠を超えても黙って削りません。完全なアウトラインに加えて、各ブロックが担う目標の優先度順に並べた削除候補リストを出力します。

弾劾ペアには順序があります。 各ペアは、現在の証言を固定する、過去の供述で対峙する、そして提出する、の形で出ます。Rule 613(b) は 2024 年 12 月 1 日施行の改正により、過去の矛盾供述に関する外部証拠は、証人が説明または否認する機会を得て、相手方がその点について尋問する機会を得るまでは採用できないと定めています。改正前の規則は順序をまったく課していませんでした。「Exhibit 14 で弾劾する」とだけ書かれたアウトラインは、弾劾を無駄にする順序で進められてしまう余地があるということです。

最後の節はカバレッジ報告です。どの質問も引用していないインデックス行、どのブロックも担っていない尋問目標、証拠の付かないブロック、そして [UNCITED] 質問の件数が並びます。最初に読むべきはこの節です。

コストの実際

トークンコストは、記録をどれだけ渡すかでほぼ決まります。元文書ではなくインデックスに対して実行すれば、1 回の実行は小さく収まります。250 行のインデックスとブロックライブラリで入力 8,000 から 20,000 トークン、出力 3,000 から 6,000 トークン程度です。

Claude Sonnet 5 の定価(入力 100 万トークンあたり 3 USD、出力 100 万トークンあたり 15 USD)なら、アウトライン 1 本あたり約 0.07 から 0.15 USD です。Claude Opus 5(100 万トークンあたり 5 USD と 25 USD)なら 約 0.12 から 0.25 USD

インデックスではなく生の証言録取を流し込むと、計算は 1 桁変わります。300 ページの証言録取はおよそ 105,000 トークン(推定。証言録取 1 ページあたり約 350 トークン換算)なので、過去の証言録取 2 件と証拠テキストを合わせると 1 回の実行が入力 250,000 トークン近くになり、Sonnet 5 で約 0.75 USD、Opus 5 で約 1.25 USD です。絶対額としては小さいままですが、その支払いに見合う結果は得られません。この場合、モデルは抽出と起案を 1 段階でこなすことになり、引用の歯止めが働かなくなるからです。

重要なコストは弁護士の時間です。中規模の記録からアウトラインを起案するのは 6 時間から 10 時間の仕事(推定。文書 200 件から 400 件、過去の証言録取 1 件の場合)で、生成された下書きをインデックスと突き合わせてレビュー・編集するのは 60 分から 90 分です。このレビューは任意ではなく、短くもなりません。スキルが置き換えるのは起案であって、判断ではありません。

成功指標

最初のデポジションから追う価値のある数値が 2 つあります。

  • 引用の解決率。 デポジション前に、引用付きの質問を 20 件サンプリングし、各引用を開示物と突き合わせます。100% を下回るなら、それは記録インデックスが古いか誤っているということであって、モデルのプロンプトを直す話ではありません。インデックスを作り直して再実行してください。カバレッジ報告の [UNCITED] 件数は先行指標として追います。増えていれば、ブロックライブラリがインデックスの守備範囲外を質問しているということです。
  • 自白の成立率。 デポジション後、起案した自白のうち記録上で「はい」または留保付きの「はい」を得られた件数を数えます。半分を下回るなら、自白の書き方が広すぎます。事実ではなく評価への同意を証人に求めている状態で、直す場所は references/1-topic-block-library.md の自白ブロックであってモデルではありません。

代替手段との比較

アソシエイトがゼロから起案する場合との比較。 中規模の記録で起案に 6 時間から 10 時間かかり、抜けは不注意というより構造的に起こります。2 回目の開示に埋もれた弾劾材料はアウトラインに載らない、最初の弾劾が決まった後になって自白を求めてしまう、そしてデポジションが延び始めるまで誰も 7 時間の配分をしない。このスキルの利点は執筆速度ではありません。クロノロジー、供述インベントリ、時間配分が、余裕があるときだけでなく毎回作られることです。

Thomson Reuters CoCounsel の「Prepare for a Deposition」との比較。 CoCounsel は証人の過去の供述と事件文書を取り込み、トピック別に整理した質問候補付きのアウトラインを返します。この機能は CoCounsel Essentials の機能セットに含まれ、Thomson Reuters はプラン紹介ページに 1 席あたりの価格を掲載していません(2026 年 8 月 19 日確認)。事務所がすでに CoCounsel の席を持っているなら、まずそちらを実行してください。追加費用なしで含まれ、Westlaw と統合されており、セットアップコストはゼロです。このスキルを使うのは、席を持っていない場合、記録が CoCounsel の管理外のソースにまたがる場合、あるいはカバレッジ報告と時間配分をアウトラインに載せたい場合です。後者は CoCounsel の出力には含まれません。

Everlaw の Deposition Analyzer と Storybuilder との比較。 Everlaw のデポジション用ワークスペースは、質問の起案、証人の背景情報の生成、証言の要約、矛盾点の指摘を行い、証拠はレビュープラットフォーム内でリンクされます。開示物がすでに Everlaw にあるなら、そちらが明確に優れています。引用はプラットフォームの文書 ID にそのまま解決するため、このスキルが 2 パスのインデックスで解いている捏造の問題自体が発生しません。価格は見積もり制です。判断基準は次のとおりです。 記録がレビュープラットフォーム上にあるならプラットフォームのモジュールを使い、開示 PDF、過去の証言録取、第三者ファイルに記録が散在している場合、または案件がどこにもホストされていない場合にこのスキルを使ってください。

注意点

  • 記録引用の捏造。 文書について質問を書けと指示されたモデルは、正しく見える文書番号を出力します。歯止め: 引用はインデックス行からそのまま複写され、組み立てられることはありません。スキルが行に紐づけられなかった質問は、それらしい番号を与える代わりに [UNCITED] マーカー付きで出力され、カバレッジ報告に計上されます。それでもサンプルは検証してください。2026 年 8 月 19 日時点で、Damien Charlotin が管理する AI Hallucination Cases データベースには、当事者がハルシネーションによる内容に依拠したと裁判所が認定した決定が世界で 1,933 件、うち米国が 1,324 件登録されています。
  • 弾劾の順序の誤り。 証人に対峙する前に外部証拠を提出すると、改正後の Rule 613(b) の下で弾劾が無駄になります。歯止め: ペアは固定・対峙・提出の書式でのみ出力され、提出のステップには、対峙の質問に回答があるまで証拠を提出しないという明示的な指示が付きます。ワークシートには、連邦の順序が普遍的ではない点も明記してあります。依拠する前に自分の法域を確認してください。
  • 制限時間の超過。 歯止め: ブロックごとの所要分数の見積もり、既定の 330 分枠、そしてブロック順ではなく目標の優先度で並べた削除候補リスト。落とすトピックは、自分で選んだものになります。
  • 特権のある資料が尋問に混入する。 開示物から作ったインデックスには、クローバックで回収された文書が含まれ得ます。歯止め: privileged と印を付けた行は質問生成から除外され、隣接行に触れるブロックには対象行名を挙げた [PRIVILEGE-CHECK] の注記が付きます。この印はインデックスの精度以上にはなりません。表に入らなかったクローバックはスキルからは見えません。
  • 継続開示に対して古いインデックスを使う。 歯止め: production_through とその日付はヘッダーの必須項目で、アウトラインのヘッダーに出力され、開示日が実行日より 14 日以上前なら警告が出ます。引用を手作業で当てるのではなく、インデックスを作り直してください。
  • 回答拒否の指示を回避すべき障害として扱う。 Rule 30(c)(2) が証人への回答拒否の指示を認めるのは、特権を保全する場合、裁判所が命じた制限を実現する場合、Rule 30(d)(3) の申立てを行う場合に限られます。歯止め: スキルは、予想される指示に対する迂回質問を起案しません。該当ブロックに印を付け、記録上の対応は弁護士に委ねます。

スタック

  • Claude — 供述インベントリの抽出、ブロックの組み立て、時間配分、カバレッジ報告
  • Everlaw — ホスト済み記録のレビュープラットフォーム。開示物がすでにそこにあるなら、そちらが最適
  • Thomson Reuters CoCounsel — すでに席を持つ事務所向けの、追加費用なしの代替手段

関連: このアウトラインが記録を引いてくるレビュー段階については バッチ特権審査、証人のデータソースがそもそも開示物に入っているかを左右する入口の段階については E-Discovery カストディアン質問票 を参照してください。

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