Customer Effort Score (CES) は、顧客が何かを成し遂げるためにどれだけの労力を要したかを測る指標です。チケットの解決、答えの発見、オンボーディングの完了、更新などが対象になります。やり取りの直後に「問題の解決はどれくらい簡単でしたか?」という1つの質問をし、顧客がスケールで回答します。労力が少ないほどロイヤルティは高くなる、というのがこの指標の根底にある考え方のすべてです。
CES は関係性の指標ではなく、満足度の指標でもありません。NPS は誰かがあなたを推奨する可能性を尋ねます(関係性のシグナル)。CSAT はあるやり取りにどれだけ満足したかを尋ねます(感情のシグナル)。CES はより狭く、より churn を予測する問いを尋ねます。この特定のやり取りがどれだけの摩擦を生んだか、です。顧客は4通のメールと2日を要した解決に満足する(CSAT が高い)こともあり得ます。そしてその労力こそが、顧客が静かに代替案を検討し始める原因になります。
計算方法
現代的な形式(CES 2.0、ほとんどのチームが使うバージョン)では、顧客に1〜7のスケールである記述への同意度を評価してもらいます。
"The company made it easy for me to handle my issue."
1 = 強く反対 → 7 = 強く同意
CES はそれらの回答の平均です。
CES = (すべての回答の合計) / (回答数)
1〜5のスケールや「とても難しい→とても簡単」という表現はどちらもよくある変種です。1つを選んで決して変えないでください。CES はトレンドとしてのみ有用だからです。一部のチームは平均ではなく「% top-2-box」(6または7と回答した割合)を報告します。こちらは outlier の影響を受けにくくなります。何を選ぶにせよ、一度定義したら維持してください。
良いスコアの目安
1〜7のスケールでは、5.5以上が強い、5.0〜5.5が堅実、4.5未満は根本原因の調査に値する摩擦の問題を示します。1〜5のスケールでは、4.0以上を強いと同等に扱います。これらは B2B SaaS のサポートとオンボーディングにおける方向性のある目安です。質問の表現とスケールが絶対値を丸1ポイント動かすため、どのベンチマークよりも自社のベースラインのほうが重要です。
CES が CSAT や NPS に勝るとき
CES が正しい指標となるのは、測定対象が顧客が早く終わってほしいと望むトランザクションであるときです。サポートの解決、セルフサービスのタスク、請求の変更などです。CEB(現在の Gartner)の元の調査では、まさにこうした場面で CES が CSAT よりも再購入とロイヤルティをよく予測することがわかりました。労力を減らすことは、顧客を喜ばせることがロイヤルティを生むよりも確実に、ディスロイヤルティを防ぐからです。
他の2つは次のときに使います。
- NPS — 単一のイベントに紐づかない、アカウント全体の関係性レベルのバロメーターが欲しいとき。エグゼクティブダッシュボードや更新リスクのセグメンテーションに適していますが、特定の壊れたフローの診断には弱いです。
- CSAT — 単一のタッチポイントに対する即時の感情が欲しく、そのやり取りが顧客が望むもの(QBR、機能のデモ、CSM とのコール)であるとき。そこでは労力ではなく体験の質が論点です。
経験則:摩擦を減らす面(サポート、ドキュメント、オンボーディング、セルフサービス)には CES、体験の質のタッチポイントには CSAT、関係性には NPS。多くの CS チームは3つすべてを運用し、レバーを持つチームにそれぞれを振り分けます。CS Ops は NPS のトレンドを、サポートは解決ごとの CES を、CSM は自分のタッチポイントの CSAT を見ます。
よくある落とし穴
- 調査が遅すぎる。 CES は急速に減衰します。週次の一括ではなく、解決から数分〜数時間以内に調査を発火させます。ガード:スケジュールではなく、Zendesk や Intercom のチケットクローズイベントでトリガーします。
- 数字を仕事そのものと見なす。 CES 4.2 は摩擦があることを教えますが、どこにあるかは教えません。スコアには必ず「何が難しかったですか?」という自由記述フィールドを添え、回答にタグを付けます。修正が宿るのは定性的なタグです。
- 表現を変えた調査どうしを比較する。 質問やスケールを変えるとトレンドラインがリセットされます。表現を変えざるを得ない場合は、切り替える前に四半期にわたって両バージョンを並行で運用します。
- 平均でセグメントを消す。 健全なブレンド後の CES が、ある channel(電話 vs チャット)やあるコホート(enterprise のオンボーディング)の悲惨なスコアを隠すことがあります。数字が問題ないと宣言する前に、channel、segment、issue タイプで切り分けます。
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