概要
DeepJudge は、法律事務所がすでに保有している知識のすべて、つまり DMS、メールアーカイブ、イントラネット、SharePoint と OneDrive、HighQ、クライアントポータルを横断する AI 検索です。ファイルを 1 つも移動させません。バックグラウンドのクローラーが元のシステム上でインデックスを作り、各ソースシステムのアクセス権限とエシカルウォールをそのまま反映するため、検索結果にはその弁護士が閲覧を許可されているものだけが返ります。創業者は Zurich の Google Research 出身で、CTO は Yannic Kilcher です。事務所自身の成果物こそが堀であり、その上に載る検索・取得のレイヤーは、その上で起案するアシスタントとは別の製品だ、という賭けに立っています。
DeepJudge は、水平型のエンタープライズ検索に対する法務特化の回答だと読んでください。Glean が Slack や Salesforce をインデックスするのに対し、DeepJudge は案件をインデックスし、案件にはクライアント、担当パートナー、クロージング日、そして周囲を囲むウォールがあることを理解しています。この違いが製品そのものであり、リーガルナレッジマネジメントのプログラムが繰り返し落ち込む穴でもあります。
Legal Ops スタックで採用される理由
- アシスタントの下に敷く知識レイヤーであって、その競合ではありません。 DeepJudge は 2026-05-20 に Harvey との提携を発表し、Thomson Reuters との連携は 2026 年 6 月に CoCounsel の Web アプリ、Westlaw Advantage、Practical Law Dynamic Tool Set で一般提供に入りました。DeepJudge と Harvey のどちらかを選ぼうとしているなら、意思決定の切り方を間違えています。事務所は両方を買いますし、Harvey 連携は成果物を DeepJudge のインデックスに書き戻します。
- SuperSearch が案件横断モードであり、これが購入理由です。 2026-03-24 に提供開始され、1 件の案件の内部ではなく案件をまたいだ問いに答えます。事務所が実際にクロージングしたディール構造はどれか、規制対応の助言が何年分のクライアント業務を通じて一貫していたか、相手方が前回どの文言を受け入れたか、といった問いです。早期アクセスには Holland & Knight、Gunderson Dettmer、Cozen O’Connor、ArentFox Schiff、CMS Switzerland、Schoenherr が参加しました。
- Agent Skills は KM のプレシデントを反復可能な実行に変えます。 DeepJudge は再利用可能なプラクティスモジュール、すなわち指示、検証済みテンプレート、補助ファイル、事務所固有の知識をまとめたものを提供し、チームが製品内で作成・改変できます。これは KM 部門の実際の職務そのものを、誰も読まないメモではなくエージェントが実行するものとして表現したものです。
価格
DeepJudge は価格を公開していません。価格ページは存在せず、2026-08-09 時点で URL は 404 を返し、すべての導線がデモ申し込みに行き着きます。オンラインで見つかる DeepJudge のシート単価はすべて推測です。
契約の形について分かっていることはこうです。Sacra は、ライセンスをユーザー数とドキュメント量に連動したサブスクリプションで、年次のエンタープライズ契約だと説明しています。これはベンダー公表値ではなく第三者による報告であり、ooligo は検証済みの数字を持っていません。公表されている購買層は 20 名規模の事務所から始まり 500 名超までスケールします。ここが商業的に効きます。Glean は 100 シート未満には見積もりを出しませんから、DeepJudge は水平型ベンダーが放棄した下限層に売っていることになります。
予算はこの製品が隣に並ぶ 2 つの費目に対して組んでください。Glean はユーザーあたり月 $40-50 に AI アドオンがユーザーあたり月 $15 程度、そして iManage Insight+ は Work とは別ライセンスで、多くの事務所のナレッジ検索予算はすでにそこへ流れています。署名前に 3 点を固めてください。課金メーターがシートかドキュメントか、そしてどちらが先に効いてくるのか。基本契約に含まれるコネクタは何本か。SuperSearch と AI Workflows は標準搭載かモジュール課金か。
適している組織
すでに iManage か NetDocuments を運用し、手作業でのキュレーションには大きすぎる文書資産を抱え、移行プロジェクトなしでエシカルウォールを尊重した検索を求める、弁護士 20 名から 500 名超の事務所のナレッジマネジメント責任者およびイノベーション責任者。DACH 圏やスイスの事務所にとっても適切な選択です。同社は Zurich に拠点を置き、自社クラウド、顧客クラウド、オンプレミスのいずれでもホストでき、CMS Switzerland、Homburger、Lenz & Staehelin、Schoenherr が地域内のリファレンス顧客です。
代替候補と選び分け
- iManage — ベンダー数を絞りたく、既存 DMS 自身の検索で十分近いところまで届く場合はこちら。Insight+ はすでに価格表にあり、データはプラットフォームの外に出ません。引き換えに失うのはリポジトリ横断の到達範囲で、メールアーカイブ、イントラネット、クライアントポータルは対象外になります。
- Glean — 検索の課題が法務だけでなく全社にまたがり、コーパスが案件と同じくらいチケット、wiki、Slack で構成される場合はこちら。100 シート未満では Glean は見積もりを出さず、案件やエシカルウォールのネイティブなモデルも持ちません。
- Legora — この領域で最も成長が速い新規参入者で、同じ検討テーブルに載る可能性が最も高い相手です。2026 年 4 月に ARR $100M を突破し、最初の $1M から 18 か月、800 の法律事務所・法務チーム、評価額 $5.6B。アシスタントと知識レイヤーを同一ベンダーから調達したく、その代わりにリポジトリ網羅性が浅くなることを受け入れるなら Legora を選んでください。
注意点
- 権限のミラーリングは、DMS がすでに間違えていることをそのまま再現します。 DeepJudge はソースシステムのアクセス制御を継承するため、誤って綴じられた案件や失効したエシカルウォールが、そのまま不適切なパートナーの前に検索結果として現れます。ガード: パイロット前に 2 つのプラクティスグループで権限とファイリングの衛生状態を監査し、パイロットの合否基準を「アソシエイトの評判が良かった」ではなく「ウォールを越えた取得がゼロであること」に設定してください。
- 起案はしません。 DeepJudge が行うのは自社の素材に対する検索、要約、ワークフロー実行であり、レッドラインとメモは引き続き Harvey、CoCounsel、あるいは Word ネイティブのツールから出てきます。ガード: アシスタントのシート費用を同じビジネスケースに含めてください。そうしないとこの案件は単なる検索の改善に見え、「iManage にはもう払っている」に負けます。
- データ所在地と学習除外の約束は自社の契約書で確認してください。 ベンダーは SOC 2 Type II、ISO 27001、顧客データで学習しないこと、パブリッククラウド・プライベートクラウド・オンプレミスと自社モデルの選択肢を掲げています。ガード: セキュリティページの記載で満足せず、所在地と学習除外の確約を MSA に落とし込んでください。EU でホストされる秘匿特権対象の素材では特にそうです。
- リファレンスのロゴに比べて会社は若いです。 $41.2M のシリーズ A は 2025 年 11 月にクローズし、Felicis がリードで評価額は約 $300M、シードをリードした Coatue も参加しました。従業員数は 2026 年 5 月時点で約 80 名です。前年比 500% 超という売上成長率はベンダー公表値です。ガード: 初期契約期間を 36 か月ではなく 12 か月で交渉し、担当ソリューションアーキテクトを契約書に明記させてください。