Softr とは
Softr はベルリン拠点のノーコードプラットフォームで、ユーザーがログインして使う業務アプリを作ります。顧客ポータル、パートナーポータル、社内イントラネット、軽量な CRM、承認ツールなどです。リスト、テーブル、Kanban ボード、フォーム、グラフといった既製ブロックを、Softr 独自のデータベース、または Airtable、Google Sheets、HubSpot、Salesforce、Notion、SQL データベースなどの既存データソースの上に組み立てます。認証、ユーザーグループ、ページの表示制御、行単位のデータ制限が最初から組み込まれており、これがポータルとプロトタイプを分ける部分です。
2026年3月31日、Softr は AI Co-Builder を備えた AI ネイティブプラットフォームとして再始動しました。アプリを説明すると、データベーススキーマ、ページ、権限、ワークフローのロジックをまとめて生成し、その後も同じビジュアルエディタで調整を続けられます(SiliconANGLE、VentureBeat)。Softr は 100 万人以上のビルダーと 7,000 の組織が利用していると公表しており、Netflix、Google、Stripe、UPS が含まれます。VentureBeat によると、チームは約 50 人、直近 1 年は黒字、年間売上は 8 桁ドル規模で、これまで営業チームを持たずに成長してきました。現在はエンタープライズ向けの営業主導の販売モデルを追加しています。直近で公表された資金調達は、2022年1月の FirstMark 主導による 1,350 万ドルのシリーズ A です。
このページが答える問いは次のとおりです。ops が本物のログインと権限を備えたポータルを必要とするとき、Softr で足りるのか、それとも Retool や Lovable のような AI コード生成ツールが必要なのか。
ops スタックに登場する理由
- ポータルが具体的なユースケースです。 Legal Ops チームは外部の法律事務所に、自分たちの案件だけを閲覧して請求書をアップロードできるログインを渡します。RevOps チームはチャネルパートナーに、HubSpot に書き込む案件登録ポータルを渡します。Recruiting チームはエージェンシーに、自社が推薦した候補者だけが並ぶページを渡します。どの場合も難しいのは「この外部ユーザーにはこの行だけを見せ、それ以外は見せない」という部分で、Softr はそれをコードなしで設定できます。
- AI は生のコードではなく、制約のあるブロックの上に組み立てます。 Co-Builder はコードベースを書くのではなく Softr のコンポーネントを組み合わせるため、非エンジニアの担当者もビジュアルエディタで結果を編集し続けられ、1 つのプロンプトが完成済みのページを書き換えることもありません。その代わり、デザインの自由度はコード生成ツールより低くなります。
- MCP は双方向で機能します。 ワークスペース全体の MCP サーバーを使うと、Claude や Cursor から Softr アカウント内にデータベース、ページ、ワークフローを作成できます。それとは別に、公開済みの各アプリを、そのアプリのユーザー向けの MCP サーバーとして動かすこともできます。各リクエストはそのユーザーとして実行されるため、グループやデータ制限はそのまま適用されます(Softr ヘルプドキュメント)。
- ワークフローと「Ask AI」エージェントが同じ製品内にあります。 そのため単純なケースなら、承認ボタンでレコードを更新しマネージャーにメールを送る処理を、Zapier や Make の別アカウントなしで実現できます。
実際の価格
公開価格は年払い時の月額です。Free(0 ドル)、Basic(19 ドル)、Pro(99 ドル)、Business(329 ドル)、Enterprise は見積もりのみです。月払いは 20〜32% 高く、Softr 自身の価格マークアップには 25 ドル、119 ドル、395 ドルと記載されています。非営利団体と教育機関は 50% 割引です。
プランを決めるのはビルダー数ではなく、アプリユーザー数です。
| プラン | 含まれるビルダー | アプリユーザー(team + client) | データベースのレコード数 | ワークフローアクション/月 | AI クレジット/月 |
|---|---|---|---|---|---|
| Free | 最大 3 | 5 | 5K | 500 | 5 |
| Basic | 1(追加 1 人 5 ドル) | 5 + 5 | 50K | 2.5K | 10 |
| Pro | 2(追加 1 人 10 ドル) | 10 + 50 | 500K | 10K | 50 |
| Business | 3(追加 1 人 20 ドル) | 30 + 100 | 1M | 25K | 100 |
「team」ユーザーはいずれかのビルダーとメールドメインが同じユーザーで、それ以外は Gmail のユーザーも含めてすべて「client」ユーザーです。Pro 以上では追加のアプリユーザーが別途課金されます。価格ページでは Pro で月 1 ドルから、Business で月 2 ドルからと記載され、詳細は計算ツールで確認する形です。追加のカスタムドメインは年払いで月 13 ドルです。
実際の価格帯:外部ユーザー 50 人未満で、独自ブランドと細かな権限設定を備えた顧客またはパートナーポータル 1 つなら、Pro で年 1,188 ドルに収まります。二要素認証、ドメイン制限付きのサインアップ、PWA、または 100 人超の外部ユーザーが必要になった時点で Business となり、年 3,948 ドルにユーザー超過分が加わります。SSO、SCIM、監査ログは Enterprise 限定のため、セキュリティ審査でこれらが必須の企業は、定価ではなく見積もりで予算を組むべきです。
最適な用途
Legal Ops、RevOps、Recruiting ops、Customer Success ops の ops リーダーで、Airtable、HubSpot、Google Sheets、SQL データベースにすでにあるデータの上に、外部向けポータルや権限付きの社内ツールを必要としており、割り当てられるエンジニアがいない人に向いています。要件が独自 UI ではなく「適切な人が適切な行だけを見る」ことであれば Softr を選んでください。
数千件の無料登録がある公開プロダクトには向きません。ユーザー単位の課金がその形態に不利に働くためです。複雑な分岐ロジック、全画面へのカスタムコード、ピクセル単位のデザインが必要なツールにも向きません。
代替ツールとの比較
Retool は、エンジニアが作る社内ツールの分野のリーダーです。ビルダーが SQL と JavaScript を書き、アプリが本番データベースの上で動く場合は Retool を選んでください。ポータル用途では外部ユーザーの課金が重くなります。Business では外部ユーザーは 50 人まで無料、その後 250 人までは 1 人あたり 8 ドルで、これにビルダー 1 人あたり 50 ドルが加わります。
Glide は最も近い同種のノーコードビルダーで、モバイルファーストの出自を持ちます。有料プランは月 25 ドルから、Pro は 125 ドルです。現場スタッフやフロントラインのチームが主にスマートフォンで使うアプリなら Glide を、利用者が Web 上の外部顧客やパートナーなら Softr を選んでください。
Lovable はこの分野で最も急成長している新興勢力で、2026年9月に年換算売上 6 億ドル超を公表しました。プロンプトから React のコードベースを生成し、月 25 ドルからのクレジット課金です。生成されたコードを引き受けてレビューできる人がいて、デザインを独自に作り込む必要があるなら Lovable を、2 年後も非エンジニアの担当者がアプリを保守しなければならないなら Softr を選んでください。
全ユーザーがすでに有料の Airtable シートを持っており、外部の誰もログインする必要がないなら、Airtable Interfaces で足りる可能性があり、2 社目のベンダーを増やさずに済みます。
注意点
- ユーザーの分類でプランが上がることがあります。 Gmail を使う委託先や顧客は client ユーザーとして数えられ、同じユーザーは全アプリを通じて 1 回だけカウントされます。対策: ログインするメールアドレスの一覧を書き出してドメイン別に分け、その人数に 12 か月分の増加を加えた数でプランを決めてから構築してください。
- アクション上限に達するとワークフローが止まります。 Softr は月間上限がリセットされるかアップグレードするまでワークフローを一時停止します。対策: 請求書の振り分けや案件登録の通知など業務上重要なものは Business か外部の自動化ツールに載せ、最初の 1 か月はワークフローアクションの消費を毎週確認してください。
- エンタープライズ向けセキュリティ機能は見積もりが前提です。 SSO(SAML、OpenID)、SCIM、監査ログは Enterprise 限定です。対策: 構築前にセキュリティ質問票を送り、SOC 2 Type II レポートを請求し、外部顧客向けポータルを約束する前に SSO が見積もりに含まれていることを確認してください。
- Airtable をデータソースにしたアプリは Airtable の制限を引き継ぎます。 元のベースのレコード上限や API のレート制限が、ポータルでは表示の遅さとして現れます。対策: 大量アクセスのポータルでは、ポータルが表示するテーブルを Softr Databases か SQL ソースに移し、Airtable はバックオフィスでの編集用に残してください。
- 持ち出せる生成コードはありません。 ブロック方式がアプリを保守しやすくしている一方で、それがロックインにもなります。対策: 記録システムは自社で管理できるソース(Airtable、HubSpot、SQL)に置き、Softr はインターフェース層として扱ってください。そうすれば乗り換えは画面の作り直しで済み、データ移行は不要です。