概要
trumpet は、同社が Pod と呼ぶ単位を中心に構築されたデジタルセールスルームです。1 件の商談につき 1 本の共有ブランドリンクに、提案資料、デモ録画、mutual action plan、見積書、署名欄までを収めるため、購買チームがメールのやり取りから商談を組み立て直す必要がなくなります。同じ Pod は受注後もオンボーディング用ワークスペースとして継続します。だからこそ trumpet は、Seismic のようなコンテンツライブラリではなく Dock と並べて RevOps の比較検討に上がります。
本社はロンドンにあり、2024 年 8 月に AlbionVC がリードするシードラウンドで 635 万ドルを調達しました (累計およそ 830 万ドル)。2026 年 3 月には Sifted 100 UK & Ireland リーダーボードで 28 位に入り、G2 の Digital Sales Room カテゴリで 1 位、Best Results スコア 9.3/10 を維持しています。公開されている顧客名は Cognism、Unit4、Zoopla で、米国エンタープライズではなく英国・欧州のミッドマーケット中心の顧客基盤を示しています。
RevOps のスタックに入る理由
- mutual action plan がウィジェットではなく製品そのものです。 ステップ、担当者、期日を買い手側の実名の担当者に割り当てるため、停滞した商談には営業担当の推測ではなく可視化されたオーナーが存在します。100 万件を超える Pod を対象とした trumpet 自身の分析では、mutual action plan を含む商談の受注率は 2 倍だったと報告されています。ベンダーの一次データなので方向性の目安として扱うべきですが、この仕組みこそがチームが導入する理由です。
- 買い手のシグナルが CRM レコードに届きます。 閲覧数、セッション時間、動画の視聴率、資料の開封が Salesforce または HubSpot の商談レコードへ同期されるため、「相手が静かになった」という感覚が、マネージャーがパイプラインレビューで確認できる日付付きのエンゲージメント低下に変わります。
- AI レイヤーが汎用ではなく商談の形をしています。 Composer AI と Spark AI は Pod 内のコンテンツからビジネスケースやエグゼクティブサマリーを作成します。Coach Casey は商談の健全性とステークホルダー網羅度を採点し、次の一手を指定します。Stakeholder Scout はルームを一度も開いていない意思決定者を検出します。AI Autobranding は URL だけで見込み顧客のブランドを適用し、3 週目で Pod の定着を止める手作業の工程を取り除きます。
- 55 以上の既製連携があり、デモ側の厚みが際立ちます。 CRM、Gong、Chili Piper、PandaDoc、DocuSign に加えて、Vidyard、Sendspark、Walnut、Storylane、Navattic、Consensus に対応します。多くのセールスルームが生の iframe で埋め込ませるインタラクティブデモの層です。
価格
社内シート単位の課金で、判断を左右する境界は AI です。
- Free — 0 ドル。アカウントあたり 10 Pod、ユーザー数無制限、mutual action plan、基本分析。
- Pro — 45 ドル/ユーザー/月、または 450 ドル/ユーザー/年 (月あたり約 37.50 ドル、年間でおよそ 17% 割引)。ユーザー数は 5 名まで。Pod 無制限、CMS、Pro 分析、CRM 連携。
- Scale — 100 ドル/ユーザー/月、または 1,000 ドル/ユーザー/年。AI スイート、電子署名、提案書と見積、Gong 連携はここから始まります。
- Elite — 160 ドル/ユーザー/月、または 1,600 ドル/ユーザー/年。SSO、SCIM、マルチチームワークスペース、ホワイトラベル、独自ドメインが加わります。
AI まで実際に使いたい 10 名の営業チームの現実的な価格帯は、Scale 年間契約で年 10,000 ドル、Elite なら 16,000 ドルです。Dock の Standard プランは 5 シートのチームで年 4,200 ドル前後にとどまります。Dock が社内シートのみを課金し、社外の共同編集者を無料にしているためです。商談に買い手側のステークホルダーが 10 名以上入ることが多く、営業人数も増えているなら、この課金モデルの違いはどの機能よりも比較検討の結論を決めます。
向いている相手
B2B SaaS 企業で 30〜90 日程度のマルチスレッド商談を回すミッドマーケットの AE と RevOps リーダーです。ステークホルダーの網羅と、購買チームが商談間で文脈を失うことが制約になっており、ルームを手作業で組み立てる代わりに商談健全性スコアへシート単位で支払う意思があるチームに向きます。
課金モデルや製品の重心が合わない場合は別の選択肢を取ってください。post-sale のオンボーディングが主な負荷で、社外の連絡先が多く、社内シート固定の課金による節約が trumpet の AI の価値を上回るなら Dock を選びます。買い手向けの画面と顧客ポータルを 1 本の請求にまとめたく、trumpet のデモツールの厚みを諦められるなら Aligned を選びます。2026 年夏の G2 Digital Sales Room グリッドで 1 位、カテゴリで最も伸びている新規参入企業です。ネイティブの電子署名と契約処理を PandaDoc に渡さずルーム内で完結させたいなら GetAccept を選びます。本当の要件がエンタープライズ規模のコンテンツガバナンスとイネーブルメント研修で、セールスルームはその一機能でよいなら Seismic を選びます。
注意点
- デモで見るプランと実際に払うプランは別です。 Composer、Spark、Coach Casey、Stakeholder Scout は Scale 以上、100 ドル/ユーザー/月からです。チームは AI を評価しておきながら、Pro の 45 ドルという数字で予算を組みがちです。対策: AI が導入理由なら、トライアルとビジネスケースを初日から Scale の価格で回し、Pro の 5 ユーザー上限が結局アップグレードを強制しないかを確認してください。
- シート課金は商談量ではなく人員数に連動します。 8 名から 20 名へ増える営業チームは、使い方が変わらなくても請求額が 3 倍になります。対策: 現在の人員ではなく採用計画に対して 12 か月のコストを試算し、年間契約に署名する前に同じシナリオを Dock の固定価格帯と比較してください。
- Pod の乱立は、買い手にリンクを無視することを覚えさせます。 Pro 以上の Pod 無制限は、作りかけのまま放置されたルームを安く量産させます。対策: テンプレートを 2〜3 種類に標準化し、personalization は手作業ではなく Autobranding に任せ、14 日たっても買い手の再訪がない Pod はアーカイブしてください。
- 公開 API、Zapier コネクタ、MCP サーバーのいずれも公表されていません。 自動化は 55 以上の既製連携の範囲に限られます。対策: トライアル中に、書き戻しが必要な CRM 項目が Salesforce または HubSpot のネイティブ同期でカバーされるかを確認してください。自社のデータウェアハウスや内製システムへのカスタム書き込みが必要なら、署名前に書面でスコープを確定させてください。
これが供給する社内側の商談点検レイヤーについては Gong と Clari を、Pod の後続にあたる見積と契約の工程については DealHub と PandaDoc を参照してください。