概要
Confluence は Atlassian のチーム向け Wiki です。スペース、ページツリー、テンプレート、データベース、ホワイトボード、ページ単位の権限を、Jira と同じ ID・管理レイヤーの上で提供します。すでに Jira を使っている企業の多くでは、ランブック、社内ポリシー、プロダクトの意思決定がここに置かれています。そのため、AI 検索エージェントやサポートエージェントが最初にインデックスする情報源になっています。Atlassian 自身の Rovo、Glean、そして Jira Service Management のヘルプセンターもその一つで、JSM のナレッジベースは Confluence のスペースそのものです。
現在はすべての有料プランに Rovo の Search、Chat、Agents が含まれ、クレジットで計量されます。つまり 2026 年の問いは「Wiki か AI ツールか」ではありません。Rovo 込みの Confluence でサポートのディフレクションと社内検索が十分にこなせるのか、それとも Guru のような専用ナレッジレイヤーや Notion のような別のワークスペースが必要なのか、という問いです。
向いている使い方
- エンジニアリングに近いナレッジ。 Jira の作業項目にリンクする仕様書、インシデントのポストモーテム、ランブック。同期ツールなしで Jira とネイティブにつながる点は、ほかの製品では代替できません。
- JSM のヘルプセンターコンテンツ。 連携した Confluence スペースの記事が、JSM ポータルのセルフサービス候補と、人が見る前にリクエストへ回答する Rovo エージェントの元データになります。サービスデスクが JSM なら、Confluence が最も手間のかからないナレッジベースです。
- 社内イントラネットとポリシーの集約。 Premium では動的イントラネット、無制限のストレージ、99.9% の稼働率 SLA、管理者向けインサイトが加わります。Standard にはゲストアクセスが無料で含まれるため、業務委託先や外部弁護士がライセンスを使わずにスペースを閲覧できます。
- エージェントからのアクセス。 Atlassian Rovo の MCP サーバーと REST API がページと検索を外部エージェントに公開しているので、Claude や自社ボットが同じコーパスを読めます。
価格の実態
Free は 10 ユーザー、ストレージ 2 GB までです。Atlassian は 2026 年 10 月 13 日に Cloud の定価を引き上げ、Standard と Premium で 7〜10%、Enterprise で 8% の値上げとなりました。現在の Atlassian の価格ページでは、100 ユーザーまでの月払いで Standard が 1 ユーザーあたり $7.15、Premium が $14.10 です。リセラーがまとめた旧価格表では $6.70 と $13.20 でした。ユーザー単価は規模に応じて下がり、1,000 ユーザーでは Standard の月額単価は $4.57 です。
年払いはユーザー数の帯で価格が決まり、多くのチームが実際に払うのはこちらです。
- 50 ユーザー: Standard で年 $3,600(1 ユーザーあたり月約 $6)、Premium で $7,100。
- 200 ユーザー: Standard で $12,500、Premium で $24,500。
- 1,000 ユーザー: Standard で $45,500、Premium で $90,500、Enterprise で $137,000。Enterprise は 801 ユーザー以上でのみ提供されます。
本当のコストが隠れているのは Rovo の割り当てです。Standard には 1 ユーザーあたり月 25 Rovo クレジット、Premium には 70、Enterprise には 150 が含まれ、組織全体でプールされます。Rovo Chat への基本的な質問やエージェントの 1 回の実行は約 10 クレジットなので、Standard でカバーできるのは 1 人あたり月 2 問程度です。超過分は 1 クレジット $0.01 で、Atlassian は 2026 年 12 月 3 日から利用メーターの課金を開始します。試算:Standard の 200 人は 5,000 クレジットをプールします。各自が月 10 問すると 20,000 クレジットを使い、超過 15,000 クレジットで月約 $150、年 $1,800 が加わります。これは $12,500 のライセンス費用に対して 14% の上乗せで、別のナレッジツールを買うよりはるかに安く済みます。
最適な対象
エンジニアリングがすでに Jira で動いている従業員 50〜2,000 人規模の企業で、ランブック、ポリシー、ヘルプセンター記事を 1 つの Wiki にまとめたい運用・IT・サポート部門のリーダー。2 つ目のナレッジシステムを購入して移行するより、手元のコンテンツで Rovo を調整したい場合に向いています。
代替製品との比較
Confluence 以外で最大の選択肢は Notion と Microsoft SharePoint の 2 つです。チームが Jira を使っておらず、ドキュメント、データベース、軽いプロジェクト管理を高速なエディタ 1 つで済ませたいなら Notion を選んでください(Business は年払いでメンバーあたり月約 $20 から、Notion Agent とエンタープライズ検索を含みます)。この比較は Notion の代替 で詳しく扱っています。会社が Microsoft 365 中心で、Microsoft 365 Copilot をアシスタントにする予定なら SharePoint を選んでください。
最も勢いのある競合は、Wiki を置き換えるのではなくその上に載る AI ファーストのナレッジレイヤーです。サポート担当者が Zendesk や Slack の中で短く検証済みの回答を必要とし、古いコンテンツが最大のリスクなら Guru を選んでください。回答が数十のシステムにまたがり、100 シート以上・1 シートあたり約 $40〜$50 の予算を確保できるなら Glean です。ルール:検索対象の半分以上が Jira と Confluence にあるなら、まず同梱の Rovo で始めて計測し、どちらかを買うのはその後にしてください。
注意点
- Rovo の割り当ては少なく、超過課金はデフォルトでオンです。 全社に Rovo を告知すると、1 人月 2 問の枠はすぐに尽きます。対策:12 月 3 日より前に Atlassian Administration でメーターごとの利用上限を設定し、2 週間のパイロットを行って、パイロットの 1 ユーザーあたりクレジット数に従業員数を掛けてから展開してください。
- AI の回答の質はページツリーの質で決まります。 重複したページや古いページは、自信ありげな誤回答を生みます。G2 や Capterra のレビューでも、大規模インスタンスでの Confluence 検索は使いにくいという声が繰り返し出ています。対策:AI エージェントをスペースにつなぐ前に、12 か月間編集のないページをアーカイブし、スペースごとに責任者を決め、エージェントのナレッジソースを整備済みのスペースだけに限定してください。
- Data Center は終了に向かっています。 Atlassian は 2026 年 3 月 30 日に新規顧客への Data Center ライセンス販売を終了し、サブスクリプションは 2029 年 3 月 28 日に失効します。対策:データ所在地やエアギャップの要件でセルフマネージドが必須なら、2028 年以降まで続く更新契約に署名する前に、Cloud のデータレジデンシーリージョン(Standard 以上で Confluence が対象)か代替手段を確認してください。
- 値上げは Atlassian の請求全体に積み重なります。 10 月の値上げは Jira と Confluence に同時にかかりました。対策:更新時には Teamwork Collection(Jira、Confluence、Loom、Rovo)と個別ライセンスの見積もりを比較し、更新時のカウント前に無効化済み・非アクティブのアカウントを削除してください。ライセンスを持つユーザーはすべて課金対象です。