概要
Crustdata は、営業担当が画面で閲覧するのではなく、ソフトウェア、そして近年ではますます AI エージェントから呼び出されることを前提に作られた、B2B の人物・企業データ API です。11 以上のソースから集約した 10 億人超の人物と 6,000 万社の企業のプロフィールを保有していると公表しており、それらを検索、エンリッチメント、求人、ソーシャル投稿、Web 検索の各エンドポイントで提供しています。さらに、人物が転職したときや企業が採用を始めたときに発火する「Watcher」webhook も備えています。https://install.crustdata.com/mcp でホストされている MCP サーバーを使えば、同じデータを Claude、Claude Code、ChatGPT、Cursor、Codex、VS Code の中で使えます。同社は Y Combinator 出身で、2025 年 10 月に Y Combinator と A Capital の共同リードで 600 万ドルのシードラウンドを調達し、現在はホームページで ARR 1,000 万ドルを公表しています。
これは何ではないか: プロスペクティング用のアプリではありません。リストビルダーも、シーケンサーも、Chrome 拡張機能も、CRM 同期もありません。チームの誰もコードを書かず、エージェントも動かしていないなら、Crustdata が提供できるものはありません。
RevOps のスタックに入る理由
- エージェントが組むプロスペクティングの下支えとなるデータレイヤーです。 r/recruiting のある実務者は、Claude が検索を計画し、Crustdata がそれに答える MCP スタックを紹介していました。検索ツールは構造化フィルター(役職、シニアリティ、企業、従業員数、資金調達、スキル)を受け付けるため、エージェントは「ロンドンのシリーズ B フィンテック企業の営業担当 VP」をスクレイピングではなく 1 回の呼び出しに変換できます。
- 検索は安く、費用がかかるのはエンリッチメントです。 検索は結果 1 件あたり 0.03 クレジットで、結果ゼロの検索は無料です。そのため、該当する人物 1,000 人で 30 クレジットです。人物のエンリッチメントは基本プロフィールが 1 クレジットで、追加項目として業務用メールが +1、個人メールが +2、電話番号が +2、開発者プラットフォームと研究プロフィールのデータで最大 +3 かかります。検索で絞り込み、候補リストだけをエンリッチしてください。
- 鮮度の異なる 2 つのモードがあり、料金も別です。 デフォルトのエンドポイントは Crustdata のキャッシュ済みグラフを読み取ります。ライブエンドポイントはリクエスト時にレコードを再取得し(人物エンリッチ 1 件あたり 7 クレジット、ライブ検索ではプロフィール 1 件あたり 2 クレジット)、利用できるプランが限られます。DataForB2B が引用した 42agency のテストでは、Crustdata を含むキャッシュ型のソースは転職から 2 週間後も前の勤務先を表示していた一方、ライブ検索は正確でした。
- レコードだけでなくシグナルも扱えます。 Watcher は届けた分だけ課金されます。30 日 SLA では新規の人物または求人 1 件あたり 0.5 クレジット、変更があった人物 1 件あたり 5 クレジット、1 日 SLA ではレコード 1 件あたり最大 150 クレジットです。CRM や n8n のフローに向けられる、転職・採用トリガーのフィードとして使えます。
料金
2026-10-10 に crustdata.com/pricing と docs.crustdata.com/general/pricing で確認しました。
- プラン料金は公開されていません。 料金ページには、クレジット制の API プラン、月次のフラットファイル・データセット(CSV または JSON)、個別のエンタープライズ契約が掲載されていますが、いずれもデモの申し込みが必要です。Crustdata 自身の 2026 年 7 月のコストガイドでは、最も安いプランは月額 95 ドルとされており、1 クレジットあたりの金額はプランによって決まるとしています。
- クレジットの消費量は公開されています。 検索は結果 1 件あたり 0.03 に加え、プレミアム項目に少額の追加料金(0.1〜2.5)がかかります。企業エンリッチは 2、テクノグラフィックス付きで 4、人物エンリッチは 1〜9、ライブ人物エンリッチは 7、人物の一括検証は結果 1 件あたり 10 です。
GET /account/endpointsを呼べば、自社の交渉済みレートを無料で確認できます。 - 利用制限。 ライブエンドポイントはプランによって制限され、
/person/contact/enrichでのコンタクトエンリッチは Enterprise 限定と記載されています。そのため、セルフサーブのプランではキャッシュ済みグラフしか読めません。 - 有効期限。 ドキュメントでは購入したクレジットの有効期間は 12 か月とされていますが、7 月のコストガイドでは 6 か月とされていました。期間は注文書に明記してもらってください。
- 実際にかかる費用。 20,000 人を検索し、上位 2,000 人を業務用メールでエンリッチすると、600 + 4,000 = 4,600 クレジットです。その 2,000 人に電話番号と個人メールを追加すると、エンリッチメントは 12,000 クレジットになります。請求額を決めるのは検索ではなくコンタクト項目です。構築を始める前に 1 クレジットあたりのドル単価を確認してください。それがなければ、他社のレコード単価と比較できません。
最適な利用者
- シードからシリーズ C の企業で、人物・企業データをエージェント、社内ツール、または自社製品に組み込んでおり、シート単位ではなく呼び出し単位で支払いたい GTM エンジニアや RevOps のビルダー
- 転職や採用のシグナルを、誰かが確認しに行くダッシュボードではなく webhook として受け取りたいチーム
- スキル、学歴、GitHub のフィルターで人物を検索する必要がある、採用テックや投資家向けソーシングのビルダー
- 向いていないのは、UI でリストを作ってメールを送りたい営業チーム(Apollo を使ってください)、検証済みの携帯電話番号を大量に必要とするチーム(FullEnrich のようなウォーターフォールを使ってください)、そして SOC 2 を必須とするセキュリティ審査です。Crustdata は公開サイトで SOC 2 を表明していません
代替ツールと選び分けのルール
- ZoomInfo — カテゴリのシェア首位で、インテントデータと組織図を備えています。契約は個別で、Crustdata のコストガイドは年間の中央値を約 33,500 ドル(Vendr)としています。法務や購買部門が大手の監査済みベンダーを求め、営業担当が UI を必要とするなら ZoomInfo を選んでください。主な利用者がエージェントで、シート課金が意味をなさないなら Crustdata を選んでください。
- Apollo — もう一方のシェア上位で、データベース、シーケンス、ダイヤラーを 1 シートあたり月額 49 ドル(年間契約)から提供し、API もあります。プロスペクティングをコードではなく人が行うなら Apollo を選んでください。
- People Data Labs — 最も歴史の長い人物データ API です。コンタクト項目が非表示の状態で月 100 クレジットが無料、その上の Pro は月額 98 ドルで 350 クレジット(1 レコードあたり約 0.28 ドル)からです。公開されたレコード単価と成熟したバルクライセンスが欲しいなら PDL を選んでください。ライブ更新、投稿、Watcher を同じ API で使いたいなら Crustdata を選んでください。
- Coresignal — セルフサーブの料金を公開しており、月額 49 ドルで 2,500 クレジットからです。複数ソースを統合した従業員または企業のレコードは 20 クレジットで、ボリューム別のプランでは 1 セント未満まで下がります。レコード単価が決め手になる大規模な履歴データセットには Coresignal を選んでください。リアルタイムのトリガーには Crustdata を選んでください。
- Clay — このセグメントで最も急成長しているプラットフォームで、2026 年 9 月に評価額 71 億ドルで 1 億 1,500 万ドルのシリーズ D を調達しました。エージェントではなく人がエンリッチメントを設計し、テーブル、ウォーターフォール、CRM 同期が欲しいなら Clay を選んでください。処理がコードで動くなら Crustdata を選んでください。API ではなく検索 UI が欲しいリクルーターは Juicebox を検討してください。
注意点
- プロフェッショナルネットワークのデータにはプラットフォームリスクがあります。 Crustdata はソースを明かしていませんが、投稿 API は「a professional network」から読み取るとしています。LinkedIn は 2025 年 1 月に Proxycurl を提訴し、Proxycurl は顧客への通知とデータの削除を命じる差し止め命令のもと、2025-07-04 にサービスを終了しました。対策: 契約にデータ取得元と補償に関する条項を入れ、自社で保持するデータのコピーと並べて Crustdata のレコード ID を保存し、1 週間で切り替えられるよう 2 社目のプロバイダーをテスト済みにしておいてください。
- キャッシュデータは転職の反映が遅れます。 デフォルトのエンリッチメントはキャッシュを読み取り、前述の鮮度テストでは 2 週間後も古い勤務先が残っていました。対策: アウトリーチのトリガーになるレコードにはライブエンドポイントか人物の Watcher を使い、キャッシュの読み取りはスコアリングとリサーチだけに使ってください。
- 一括処理にはレート制限が低すぎます。 ドキュメントに記載されたデフォルトは、ライブエンドポイントの毎分 10 リクエストから、オートコンプリートの毎分 45 リクエストまでです。DataForB2B がキャッシュ済みエンリッチについて報告している毎分 15 件なら、10,000 件の単件エンリッチに 11 時間以上かかります。対策: バッチエンドポイントを使い、バックフィルの前に上限の引き上げを書面で取り付けてください。
- 公開レビューもコンプライアンスの表明もありません。 G2 のレビューは 0 件で、サイトには利用規約とプライバシーポリシーはあるものの、SOC 2 や ISO のレポートはありません。対策: 無料の開発者サンドボックスで自社のレコード 200 件を処理し、ヒット率と鮮度を PDL や Coresignal と比較してください。そのうえで、エージェントが本番の CRM データに触れる前にセキュリティ質問票を送ってください。