Heap と Amplitude は、Customer Success やグロースのチームが、エクスペリエンス基盤一式を買わずにプロダクト利用シグナルだけを得たいときに比較する 2 つのプロダクトアナリティクス基盤です。かつての振り分けルール、つまり「Heap はすべてを自動取得して後からイベントを定義する、Amplitude は先にタクソノミーを設計させる」という整理は、もう成り立ちません。Amplitude は Autocapture を提供しており、その Visual Labeling は収集済みのデータに対してイベントを遡及的に定義します。分岐点は課金メーターへ移りました。Heap はセッション課金、Amplitude はイベント課金であり、この 1 点が、各基盤が何をわざわざ取得するか、どこまで遡れるか、そして営業と話さずに購入できるかを決めます。 Heap が勝つ場面 セッション課金は取得の広さを罰しません。 Heap はすべてのクリック、pageview、フォーム操作を記録し、請求はインタラクションではなくセッションを数えるため、密度の高い画面でも簡素な画面でもコストは同じです。Amplitude の Autocapture は意図的に選択的で、ドキュメントには、既定では空白領域のクリックやテキスト選択を除外し「価値の低いユーザー行動に対して支払わずに済むようにする」と記されています。遡及的な問いが、Amplitude が保持しないと判断したインタラクションに当たった場合、ラベル付けすべきデータはそこにありません。 交渉後の契約では安価です。 Vendr は Heap の年間契約額の平均値・中央値を 191 件の購入にわたり $41,220、Amplitude を 416 件で $64,724 と報告しています。差が大きいのは下限です。Heap の最低記録契約額は $13,000、Amplitude は $24,625 です。 2 段階目からシートが費用項目でなくなります。 Heap の Growth プランはユーザー数とレポート数が無制限のため、アナリスト、CSM、PM の全員がライセンス交渉なしにアクセスを得られます。 ウェアハウス連携と行動ターゲティングは最上位プランに内包されています。 Premier にはウェアハウス書き出しの Heap Connect、行動ターゲティングの Activate、無制限プロジェクト、高度なユーザー権限、リージョン別ストレージが含まれます。Pro では Activate は有料アドオンです。 Illuminate は、問い合わせようと思わなかった摩擦を順位付けします。 Heap はこれを、未知の摩擦を特定するデータサイエンス層と説明しています。どのチャートを作るべきか分かる前に CS 責任者が抱く問いは、まさにこれです。 Amplitude が勝つ場面 プロダクトを実際に運用できる無料プラン。 有効期限なしで月間 2M イベント、シート無制限、月 1,000 件の session replay、加えて AI Agents と MCP が付きます。Heap の Free プランは月間 10k セッションで頭打ちになり、履歴は 6 か月、AI は含まれません。Sense は Growth から始まります。 営業と話さずに価格を出して購入できます。 Plus は $0 から始まり、公表された上限である 70M イベントまでイベント量に応じて増えます。Heap は Free より上の金額を一切公表していません。Growth は見積もりを得るためにスニペットの設置を求め、Pro と Premier はいずれも「Custom Session Pricing」と表示されます。 MCP は全プランに含まれ、計測されたコール枠がありません。 Amplitude は Free、Plus、Growth、Enterprise のいずれにも MCP と AI Agents を同じように含めます。Heap のエージェント経路は Contentsquare の MCP サーバーを通り、Contentsquare 自身のプラン階層に対して計測されます。Free は月 300 tool call、以降 Growth、Pro、Enterprise で年 36,000、72,000、108,000 件です。枠はアカウント全体で共有され、統合を設定できるのは管理者だけです。 セルフサーブで契約できる階層では保持期間が長くなります。 Amplitude の Plus は 2 年間のデータ保持を備えます。Heap の Pro と Premier はいずれも 1 年で止まり、追加年数はアドオン販売です。遡及分析はその背後にある履歴の分しか遡れないため、Heap の中核的な優位は、そのポジショニングが示唆するよりも短い紐に繋がれています。 session replay は同梱で、第二の費用項目ではありません。 Amplitude はどの階層にも replay 枠を持ち、Free の月 1,000 件から Enterprise の 50,000 件まで用意されます。Heap は Session Replay と Heatmaps を有料アドオンとして販売し、Pro 以上でのみ利用でき、それ未満では提供されません。 価格の実態 2 つのメーターは同じプロダクトから異なる請求を生みます。Heap はセッションを数えるため、コストは利用者が行う個別訪問の数に連動し、画面の計測範囲を広げても横ばいのままです。Amplitude はイベントを数えるため、コストは計測の密度に連動し、1 訪問あたりの取得量が増えると上がります。トラフィックが少なく画面が密なアプリは Heap のほうが安く、トラフィックが多く計測設計が絞られたアプリは Amplitude のほうが安くなります。 交渉後の水準では差はおよそ 1.6 倍です。中央値 ACV は Heap が $41,220、Amplitude が $64,724 で、Heap の購入者は定価から平均 21%、Amplitude の購入者は 16% の値引きを得ています。上限はさらに開き、$154,798 対 $370,790 となりますが、これは単価のプレミアムというより Amplitude のエンタープライズ基盤の広さを反映しています。契約水準より下では比較が逆転します。Amplitude の無料プランは実運用できるプロダクトで、Plus 階層は 70M イベントまでセルフサーブで完結します。一方 Heap の無料プランは評価用であり、その上はすべて見積もりです。今後 2 四半期の予算がゼロなら、現実的な選択肢は一方だけです。 どちらの金額にも、データを供給する先の CS 基盤は含まれません。両者はシグナルの供給源であって、health score や更新施策が動く場所ではありません。 Contentsquare という論点 Contentsquare は 2023 年 12 月に Heap の買収を完了しており、同社自身の比較ページは、Heap が「独立した企業や競合として運営されてはいない」こと、そして「Contentsquare グループの不可欠な一部」であることを明記し、Heap を求めて来た購入者を Contentsquare へ誘導しています。heap.io は今も 4 つの Heap プランを販売しており、プロダクトも継続しているため、これは提供終了ではありません。ただし論点は 2 つ生じます。ベンダー自身のマーケティングが、見積もりを求めた範囲より大きな基盤へ誘導すること。そして AI のロードマップが Heap ではなく Contentsquare 経由で届くことです。Sense は Heap 自身の価格ページで「Contentsquare の AI」と表示され、MCP サーバーは Contentsquare のヘルプセンターに記載される一方、Heap のプラン表には一切登場しません。Heap の SKU が基盤契約に吸収された場合、更新がどうなるかを確認してください。 結論 Heap を選ぶのは、画面は密でトラフィックは多くない場合、計測設計を先に交渉せずにすべてのインタラクションを取得したい場合、どのみち交渉ベースの年間契約になる場合、あるいはジャーニー分析やエクスペリエンス分析も要件に入っていて Contentsquare 基盤がリスクではなく利点として読める場合です。 Amplitude を選ぶのは、$0 から始めて予算枠ができる前に価値を証明する必要がある場合、すでに使っている階層の中で MCP とエージェントが欲しい場合、実験機能と feature flag が同じ基盤に属すべき場合、あるいは分析が 1 年を超えて遡る必要がある場合です。 どちらも選ばないのは、CS 基盤がすでに必要な利用状況を取得している場合です。2 つ目の計測契約を結ぶ前に、Gainsight PX や Vitally の内蔵トラッキングを確認してください。見積もりツールを使わずに予算を組めるイベント単価の公表値が欲しいなら、Mixpanel はそれを公開しています。問いが利用者の行動内容ではなく離脱の理由であるなら、正直な答えは Heap 単体ではなく Contentsquare 基盤そのものです。 これらの条件がないまま選ぶなら、Amplitude です。営業サイクルなしに価格を出し、導入し、実運用量まで持っていける側であり、かつて Heap のプレミアムを正当化していた遡及ラベリングの差はすでに埋まりました。交渉契約がどのみち発生し、履歴の深さではなく取得の広さが繰り返し効いてくる制約であるときに、Heap へ移ってください。 GitHubでこのページを編集 →
Heap と Amplitude は、Customer Success やグロースのチームが、エクスペリエンス基盤一式を買わずにプロダクト利用シグナルだけを得たいときに比較する 2 つのプロダクトアナリティクス基盤です。かつての振り分けルール、つまり「Heap はすべてを自動取得して後からイベントを定義する、Amplitude は先にタクソノミーを設計させる」という整理は、もう成り立ちません。Amplitude は Autocapture を提供しており、その Visual Labeling は収集済みのデータに対してイベントを遡及的に定義します。分岐点は課金メーターへ移りました。Heap はセッション課金、Amplitude はイベント課金であり、この 1 点が、各基盤が何をわざわざ取得するか、どこまで遡れるか、そして営業と話さずに購入できるかを決めます。
Heap が勝つ場面
Amplitude が勝つ場面
価格の実態
2 つのメーターは同じプロダクトから異なる請求を生みます。Heap はセッションを数えるため、コストは利用者が行う個別訪問の数に連動し、画面の計測範囲を広げても横ばいのままです。Amplitude はイベントを数えるため、コストは計測の密度に連動し、1 訪問あたりの取得量が増えると上がります。トラフィックが少なく画面が密なアプリは Heap のほうが安く、トラフィックが多く計測設計が絞られたアプリは Amplitude のほうが安くなります。
交渉後の水準では差はおよそ 1.6 倍です。中央値 ACV は Heap が $41,220、Amplitude が $64,724 で、Heap の購入者は定価から平均 21%、Amplitude の購入者は 16% の値引きを得ています。上限はさらに開き、$154,798 対 $370,790 となりますが、これは単価のプレミアムというより Amplitude のエンタープライズ基盤の広さを反映しています。契約水準より下では比較が逆転します。Amplitude の無料プランは実運用できるプロダクトで、Plus 階層は 70M イベントまでセルフサーブで完結します。一方 Heap の無料プランは評価用であり、その上はすべて見積もりです。今後 2 四半期の予算がゼロなら、現実的な選択肢は一方だけです。
どちらの金額にも、データを供給する先の CS 基盤は含まれません。両者はシグナルの供給源であって、health score や更新施策が動く場所ではありません。
Contentsquare という論点
Contentsquare は 2023 年 12 月に Heap の買収を完了しており、同社自身の比較ページは、Heap が「独立した企業や競合として運営されてはいない」こと、そして「Contentsquare グループの不可欠な一部」であることを明記し、Heap を求めて来た購入者を Contentsquare へ誘導しています。heap.io は今も 4 つの Heap プランを販売しており、プロダクトも継続しているため、これは提供終了ではありません。ただし論点は 2 つ生じます。ベンダー自身のマーケティングが、見積もりを求めた範囲より大きな基盤へ誘導すること。そして AI のロードマップが Heap ではなく Contentsquare 経由で届くことです。Sense は Heap 自身の価格ページで「Contentsquare の AI」と表示され、MCP サーバーは Contentsquare のヘルプセンターに記載される一方、Heap のプラン表には一切登場しません。Heap の SKU が基盤契約に吸収された場合、更新がどうなるかを確認してください。
結論
これらの条件がないまま選ぶなら、Amplitude です。営業サイクルなしに価格を出し、導入し、実運用量まで持っていける側であり、かつて Heap のプレミアムを正当化していた遡及ラベリングの差はすでに埋まりました。交渉契約がどのみち発生し、履歴の深さではなく取得の広さが繰り返し効いてくる制約であるときに、Heap へ移ってください。