概要
folk はシート課金の CRM です。CRM とはパイプラインを載せた共有コンタクトデータベースであるべきで、専任管理者を必要とするプラットフォームであるべきではない、と判断したチーム向けに作られています。レコードは人、企業、グループの 3 種類です。編集画面はスプレッドシートのように読め、新しいワークスペースは四半期ではなく半日で使える状態になります。主張はこれがすべてで、重量級の CRM を引き剥がす話題が出るたびに folk が持ち出すのも同じ論点です。製品を減らし、設定を減らし、費用を減らす。
AI レイヤーは後付けではありません。Magic Fields はプロンプトで動く列であり、名前の付いた 4 つの AI Assistants がフォローアップのタイミング、やり取りの要約、企業リサーチ、トリガー起点のメールを担当します。ブラウザ拡張の folkX は LinkedIn ほか 7 つ以上のプラットフォームからコンタクトを取り込みます。さらに folk は自社ホスト型の MCP サーバーを運用しており、この価格帯の CRM ではまだ珍しい要素です。
RevOps スタックで採用される理由
- MCP サーバーはベンダー自身が提供するホスト型です。 エンドポイントは
https://mcp.folk.app/mcpで、管理すべき API キーなしに OAuth で認証します。folk のドキュメントはクライアントとして Claude Desktop、Claude Code、Cursor、VS Code、ChatGPT を挙げています。エージェントは自分のアカウントと同じワークスペース権限を得ます。人・企業・グループの横断検索、コンタクト・ノート・カスタムフィールドの作成と更新、パイプライン上での deal の移動、そして関係やパイプラインのサマリーの書き戻しができます。 - Magic Fields は列の中にプロンプトを置きます。 レコード自身のフィールドを参照するプロンプトを 1 つ書けば、folk が全行に値を埋めます。役職名の正規化、コンタクトごとの書き出し 1 行の生成、アカウントの分類などです。上限は Standard で月 2,000 magic fields、Premium で 5,000 です。
- 取り込みはコンタクトが既に存在する場所で行われます。 folkX は LinkedIn と 7 つ以上のサイトから 1 クリックで人物を追加し、メール、カレンダー、WhatsApp はコンタクトレコードに同期されます。担当者が何かを記録する必要はありません。
価格
1 メンバー/月あたりで、年額請求は月額より 20% 低くなります。無料プランはありません。2 週間のトライアルが Premium の機能で動き、カード登録は不要です。
- Standard — 月額 $30、年額 $24($288/メンバー/年)。コンタクト無制限、1 メンバーあたり月 2,000 メッセージ、ワークスペース全体で月 500 エンリッチメントクレジット、月 2,000 magic fields。他システムへの自動化は Zapier と Make 経由のみです。
- Premium — 月額 $60、年額 $48($576/メンバー/年)。Deals、カスタムオブジェクト、メールシーケンス、ダッシュボード、REST API、高度なロールと権限、3 つのカスタムドメインが加わります。上限は 1 メンバーあたり月 5,000 メッセージ、1,000 エンリッチメントクレジット、5,000 magic fields に上がります。
- Enterprise — 月額 $100、年額 $80($960/メンバー/年)。上限のカスタム設定、グループ単位の権限、セキュリティ管理、カスタム統合、専任アカウントマネージャー。
請求を動かす変数がシート数だけなので、実勢の価格帯は狭くなります。Premium 年額で 5 人なら $2,880/年。Standard 年額で 10 人でも $2,880/年です。同じ 10 シートを Attio Pro 年額で持つとクレジットパック抜きで $9,480/年です。folk の公開プランは月次の割当量を示すだけで超過料金の記載がないため、シート数を予算化し、割当量は更新時に驚かされるメーターではなく上限として扱ってください。
向いている対象
pre-seed から Series A の、創業者主導で 2〜15 人規模の小さな GTM チームで、関係性ベースの営業をしている場合。加えて、ミドルウェア層を先に用意することなく、MCP 経由でエージェントにパイプラインを読み書きさせたい RevOps 担当者。
向かない対象
forecast そのものが成果物であるチームです。folk にはパイプラインとアクティビティのダッシュボードはありますが、ステージ別の確度による加重も、加重パイプラインのビューも、forecast モデルも、カスタムレポートビルダーもありません。CRM 内部で自動化を発火させる必要があるチームにも向きません。deal を次のステージに動かしてもネイティブには何も起動しないため、そのロジックは Zapier、Make、n8n のいずれかに置くことになります。
代替製品との比較
- Salesforce — 承認チェーン、テリトリーのガバナンス、財務とサポートの双方が読むデータモデルで評価が決まるなら Salesforce です。最初の 90 日は folk が明確に勝ち、200 ユーザーで 3 年目に何が起きるかという問いは Salesforce が勝ちます。
- HubSpot — 無料の CRM プランとマーケティングオートメーションが 1 枚の請求書に載ることが、多くのチームが HubSpot に落ち着く理由です。マーケティングと営業が 1 つのシステムを共有する必要があるなら HubSpot、$24 のレコード層だけが欲しくて他に何もぶら下げたくないなら folk です。
- Attio — もう一方の軽量な極で、年額 Plus が 1 シート $35、Pro が $79、カスタムオブジェクトは Pro 以上です。標準的でないオブジェクトグラフをモデリングする場合や、CRM 内でクレジット計測のエージェントワークフローを使いたい場合は Attio。オブジェクトが実際に人と企業だけで、請求項目をシートだけにしたい場合は folk です。
- Day.ai — この分野で最も成長が速い新規参入で、エージェント単位の $24/$60/$200 課金、エージェントを持たない人間は無料です。請求書に載せたい数字がエージェント数なら Day.ai、10 人以上が自分のレコード、グループ、権限を必要とするなら folk です。
注意点
- エンリッチメントクレジットはシート単位ではなくワークスペース単位です。 Standard の月 500 クレジットはワークスペース全体をカバーするため、10 シートで 500 を分け合い、担当者 1 人あたり実質 50 になります。メッセージ割当は人数に比例して増えますが、エンリッチメントは増えません。ガード: folk が必要量を賄えると仮定する前に、Premium の 1,000 クレジットと Clay での外部エンリッチメント工程を比較し、クレジット消費は更新時ではなく丸 1 か月経過後に確認してください。
- 宣伝されているコネクタ数は Zapier と Make の到達範囲であり、ネイティブ統合ではありません。 folk は数千のツール連携を打ち出していますが、Standard のプログラム的アクセスは Zapier と Make のみで、REST API は Premium からです。ガード: folk と通信する必要があるシステムをすべて列挙し、ネイティブ、Zapier 経由、REST のいずれかに印を付けてください。1 つでも REST に該当するなら、購入するのは年額 $24 の Standard ではなく年額 $48 の Premium です。
- Deals は Premium のオブジェクトなので、入門プランでは MCP の一部が操作対象を持ちません。 MCP サーバーはパイプライン上での deal の移動とステータス同期を掲げていますが、Standard に Deals は存在しません。ガード: エージェントの用途がパイプラインの整備なら、最初から Premium を購入してください。MCP はプランが除外したオブジェクトを補完しません。
- forecast がなく、ステージ起点の自動化もありません。 どちらの欠落もレビューサイトで一貫して記録されており、上位プランでも埋まりません。ガード: forecast はスプレッドシートか BI ツールで保持し、ステージ変更は n8n か Make に配線し、その両方が機能することを確認してから、それらを内蔵していた CRM から移行してください。
- 一括インポートが繰り返し指摘される弱点です。 G2 と Capterra のレビューには、大量インポート後の重複レコードと、後からの再構成を受け付けにくいタグ設計が挙がっています。ガード: まず 200 行のセグメントだけをインポートし、folk の重複排除をかけ、グループとタグの構造を確定させてから連絡先全体を読み込んでください。